フィラリア

成犬になってから死ぬ犬の中で、大きな割合を占めている犬の病気がフィラリアです。これは蚊によって媒介され心臓に寄生する虫です。蚊によって刺し込まれたフィラリアの幼虫は、皮下や筋肉の間で成長し、静脈に入って血の流れとともに心臓に達します。しかし、一旦はそれを通過して肺に入り10cmから20cmになると再び心臓に戻って来て、右心室に寄生します。蚊に刺されてからこれまでの間に200日以上かかりますが、この段階から犬にはさまざまな症状が出始めます。幼犬のジステンパーと同様に、犬にとって非常に恐ろしい病気とされていますが、現在では予防や駆除の方法も発達してきています。予防法としては、ジエル・カルバマジンという薬が使われています。顆粒状と錠剤とがあり、毎年5、6月頃、蚊が出始めるときから12月まで食事にまぜるなどして与え続けます。しかし、すでに心臓にフィラリアが寄生している犬に与えると大変な副作用が起きることがあるので注意しなければなりません。与える前には必ず血液検査をして、血液の中に小虫がいないかどうか確かめる必要があります。血液検査で、すでにフィラリアが寄生していることが分かった場合は駆除しなければなりません。寄生している場所が心臓であるうえに、30cm近くもある針金のような虫なので駆除も大変で、手術をする場合とヒ素剤を使う場合とがあります。手術の場合には機械で心臓の中をさぐり、虫を引き出すので、3、4割しか取りだせないのが普通ですが、それでも重症の場合にはかなり役に立ちます。ヒ素剤を使う場合はかなり効果がありますが、心臓内で虫が死ぬので、1カ月間は絶対安静となります。

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